先日、草なぎ剛さんの「嘘の戦争」というドラマを見ていたら、
詐欺師役である草なぎ剛さんが、
「詐欺師に必要なのはリアリティとユーティリティだ。本当のことの様に思わせるリアリティと、使える奴と思わせるユーティリティ。」
と言っていました。
それを聞いて『そのとーり!』と叫びそうになりました。
何も詐欺師に限った事では無く、多くの職業に必要となる要素なのでは無いか、と。
デザインのお仕事にしても、
「まだ実物が出来ていない内装デザインの完成図を、さも実在しているかの様にお客様にイメージして頂くリアリティと、この人に頼めば理想のお店を造ってもらえる、なんとかしてくれると思わせるユーティリティ。」
いくらイメージコラージュを揃えても、
いくらパースを描いても、
いくら現物サンプルを並べても、
大なり小なり出来上がったものとは違います。
あとは見る人の主観により「想定の範囲内」なのか、「桁外れに予想外」なのかという点で、満足度が大きく異なってくるのです。
デザインに限らず、多くの仕事においてそうなのではないでしょうか。
だって、頼む側は、相手をプロだと思って頼むわけだから、
その打ち合わせでは、依頼者には理解しにくい専門用語や資料がきっとあるのですから。
更にはすでに商品が実在していて、
写真も見れて、スペックも記載されているにも関わらず、
「思ったものと違った」
という事だってあるでしょう。
詐欺師の場合、無い物をあると言う”嘘”を”リアル”に見せる事を言うかも知れませんが、
嘘ですら、聞く人の価値観によっては”リアル”である場合もあるかも知れません。
人と人なので100%というのは難しいとは思いますが、
「完成品の100点は何か」を追いかける事を諦めず、
主観によって見た感想に差は出てしまうものの、
「真実を忠実に、分かりやすく伝える努力」を惜しまない。
そういった仕事をしていくために、
「リアリティとユーティリティ」は欠かせないのでは無いか、と思いました。